(そろばん倶楽部)
これは、まだ小学生だったころのお話。
自分の家から、学校までにそろばん倶楽部というのがあった。
そろばん倶楽部とは、そこでそろばんを習い計算、暗算を早くできるようにしようと、いわばそろばん教室なのである。
俺は、そこに行ってなかったが、クラスの何人かは学校帰りにそこに通っていた。
当時、まだ遊び心満載(今も)だった俺は友人と一緒に
俺「あいつら学校終わってまで塾行ってるなんてありえねぇー」
とか言ってた。
そのそろばん倶楽部の玄関のところで言ってた。最悪
そんなこんなでまったくそろばん倶楽部には興味すらわかなかった。
興味わかせるぐらいなら、お湯沸かしてカップラーメン食ってました。
しかし、ある日のこと。
そのそろばん倶楽部に通っている友人が
百ます計算のプリントを持ってきた。
たくさん持っていたので、その友人とどっちがはやく終わるか?みたいな勝負をした。
正直、計算のスピードには自信があった。
しかも相手はそろばん倶楽部、変なコマにでこピンして計算してるようなやつらに負けるはずが無いと。
よーい、スタート!
カリカリカリカリカリカリカリ
カリカリカリカリ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
よし、ようやく半分まで行ったぞ・・・・あと半分か、このペースならよゆ・・・
友人「終わった!」
なんだって!?
早すぎるじゃネーか!おまえは人間か。どーせ計算間違ってんだろ?
全問正解・・・・・・・・・・・・・・
俺・半分までしかしてない、さらに計算ミス連発・・・・・・・・・
6×9=72とか書いてある始末。
撃沈である。まさかそろばん塾の成果がこんなにも出ているとは。
あなどっていた。そろばんをあなどっていた。
裏返して、ローラースケートみたいに乗っていた自分が恥ずかしい。
まだ幼かった俺の心はそろばんに動かされたのである。
ぁあ、俺もそろばん倶楽部に行こうかな、そんなことも思った。
友人に聞いてみた
俺「そろばん倶楽部っておもろい?」
友人「うん、終わったあとにネリケシ貰えるんだよ。」
俺「!!!」
ネリケシとはねばねばでいいにおいのする消しゴムである。
クラスでネリケシを持っている奴を見ると羨ましかった。
しかし、そんじょそこらの文房具やには売ってないのである。
当時、すごい高級感のある文房具だった(俺らの中では) (ていうかあれ文房具?)
ネリケシがほしかった俺は、そろばん倶楽部に入りたくなった。
そろばんやってネリケシほしかった。
むしろただ単にネリケシがほしかった。
俺は勇気を出して母に申し出た。
俺「お母さんお母さん!!」
母「何?」
俺「そろばん倶楽部行きたいんだけど・・・・」
母「そろばん倶楽部? そろばんすんの?」
俺「うん。友達も結構行ってるんだよ。」
母「計算苦手なの?」
俺「う・・・うん。」
母「電卓の方が便利じゃね?」
ねりけしの夢は、はかなく散った。